LABシステム誕生秘話!-ラックランド初の省エネシステム開発・製造の光と影-

LABシステムをセットで販売・設置することは、はっきり言って無理でした。
現在では、“省エネ・CO2削減”と環境への関心が高まっていて、
大手スーパーでは特に注目されている問題ですが、
当時は環境問題への取り組みは、ほとんど注目されていませんでした。
そのような社会情勢の中、お客様にとってみれば、どんなに省エネになろうが、電気代削減になろうが、
「冷凍機が動くのに支障が無いなら、不要な経費はかけたくない」というのが大多数でした。
そして、ついにLABシステムの売上はほとんどゼロに・・・
これが1度目の死・・・。
「どうしたらLABが売れるのか・・・」
普段の仕事をこなしながらも、常に頭はLABシステムのことでいっぱいでした。
丁度、開発・製造から5年程経過した時のことです。
ある省エネを売りとしている会社から、
「後付けのインバータを販売しませんか?」
とお誘いを頂きました。
この言葉が、LABシステムの復活のきっかけとなりました。
「セット販売でなく、後付けできるようにすればいいんだ!!」
早速LABシステムを改良し、冷凍機に後付で設置できるようにして、販売を行ったところ、
ゼロだった売上が、3年間で500台も売れるようになったのです!
しかし、設置してから2、3ヶ月が経過しようとした時、
またしても問題が発生しました。
電源ダイオードが破損する事故が起きはじめたのです。
原因は・・・不明。
約70台で事故が起きるという、高い発生率!
青ざめながら何度も調査をし、
ようやく基盤に原因があることが判明しました。
当時、LABシステムを設置した地域は、偶然にも北陸地方ばかりで、
北陸の寒さに対応できる設計になっていなかったのです!

これが原因で北陸に設置していたほとんどのLABシステムを引き上げることになったのです。
そしてこの後、再び売上がゼロに・・・
その代わりにLABシステムの修理の電話ばかりが増える日々。
時には日帰りで仙台→金沢→新潟と各地の店舗を
転々と修理しながら回る日々が約4年間続きました。
これがLAB2度目の死を迎えた瞬間でした。
しかし、泣いてはいられない。
この期間にも、研究、改良を行った結果、
電源ダイオードと基盤の故障の原因を
解決することが出来たのです!
湿気による基盤の故障は、湿気を防止するために
コーティング剤を塗りなおす事で解決しました。

2次側配線へと構造を変更。
この配線方法により電源ダイオードの破損を減らすことが出来ました。
また、基盤が湿気をもらうことで起きていた電圧エラーを解決する為に、
現在、当社が特許を申請中の「EHエラー」という機能を搭載させてみました。
この「EHエラー機能」を搭載したことで、圧力の状態を見張ることができ、
冷凍機の異常を検知することが可能となりました。
こうして2000年に完成したのが『LAB2000』。
意気揚々と売り出したのですが、なぜか売上は伸びませんでした。
東北から引き上げてきた『LABシステム』の基盤の交換をして、設置することはありましたが、
新規での売上はほぼゼロ・・・
しばらくは、LABシステムの故障を直し続け、電子会社の方とソフトウェアの開発の
打ち合わせの繰り返しでした。